総括シンポジウム「日本大衆文化研究の最前線—新しい日本像の創出にむけて―」を開催いたします。
国際日本文化研究センターでは、2016年度より2021年度にかけて機関拠点型基幹研究プロジェクト「大衆文化の通時的・国際的研究による新しい日本像の創出(略称:大衆文化研究プロジェクト)」に取り組んでいます。当初は、古代・中世、近世、近代、現代の4班を編成しましたが、年次ごとに班を再編成し各班の横断・融合を図り、国内外の研究者と連携しながら、大衆文化の学際的・通時的な国際共同研究を推進してきました。その活動内容は、大衆文化の国際共同研究の実施のほか、大衆文化に関わる研究資源の収集とその発信や、大衆文化研究の成果発信と教育プログラムの開発、さらには、大衆文化研究を中心とした国際的な研究ネットワークの再構築を目指すものでもありました。とりわけ、大衆文化研究のための基本図書として利用されることも想定した「日文研大衆文化研究叢書」全5巻の刊行は、活動の集大成として位置づけられます。
6年間の活動を締めくくるこのシンポジウムは、若手研究者育成という目的から、中堅・若手の研究者がパネル企画を担い、「日本大衆文化研究の最前線―新しい日本像の創出にむけて―」と題して行い、4つのパネルを通して、これまでに取り組んだ大衆文化研究プロジェクト全体を検証・評価する機会としたいと思います。
なお、シンポジウムの最後は「国際日本研究」コンソーシアムのパネルとして、ヨーロッパとの対話から、「国際日本研究」の新たな展開と可能性について、考察を進めます。
■開催日時
2022年1月21日(金)、22日(土)、23日(日)
■場所
国際日本文化研究センター 第1共同研究室(傍聴はオンラインのみ)
■主催
国際日本文化研究センター・大衆文化研究プロジェクト
■共催
「国際日本研究」コンソーシアム
■参加方法
下記URLもしくはQRコードからお申し込み下さい。
対象者:研究者限定(大学院生含む)
https://ws.formzu.net/dist/S42611550/
■プログラム(※プログラムは変更される可能性がございます)
1月21日(金)
9:15-9:30 開会の挨拶:井上章一 国際日本文化研究センター所長
趣旨説明:劉建輝 国際日本文化研究センター教授
パネル①「漫画文化の比較・日本とメキシコ」 【使用言語:日本語・スペイン語】
9:30-9:45 司会(担当コーディネーター):エルナンデス・エルナンデス・アルバロ・ダビド
(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)
『なぜメキシコ漫画「イストリエタ」か?』
9:45-10:00 パネラー:山本忠宏(神戸芸術工科大学助教)
『フォトモンタヘがもたらした「ハーフリアル」――馴致される身体・運動・写真』
10:00-10:15 パネラー:雑賀忠宏(開志専門職大学講師)
『ホラー・イストリエタの展開と貸本怪奇マンガ――ジャンル的想像力のローカルな馴致をめぐって』
10:15-10:30 パネラー:オオタ・オタニ・ゲン・レオナルド(メキシコ国立人類学歴史大学臨時講師 )
『大衆漫画から考察する日本とメキシコの40年代半ばの社会の変動の描写、アルベルト・カブレラ作画の
「Almas de Niño」と井上一雄の「バット君」の比較』
10:30-10:50 メキシコ側コメンテーター:ドミンゲス・プリエト・オリビア(メキシコ国立工科大学IPN/CESJM講師)
10:50-11:05 メキシコ側コメンテーター:キロス・カスティーヨ・ラウラ・イボネ
(メキシコ国立人類学歴史学大学ENAH/メトロポリタナ自治大学UAM/CESJM臨時講師)
11:05-11:20 メキシコ側コメンテーター:ルイス・モリナ・フェルナンド
(メキシコ国立人類学歴史学大学ENAH/メキシコシティ自治大学UACM/CESJM臨時講師)
11:25-12:30 ディスカッサント:ソト・ディアス・ルベン・エドアルド(メキシコイストリエタ博物館館長)
ディスカッサント:浅野龍哉(北京鮮漫文化創意有限公司 漫画家)
ディスカッサント:フェレル・エベラルド(Kamite出版/Comikaze コミック研究家)
パネル②「時代劇映画の文化的芸術的価値の再発見 -衣裳と殺陣」 【使用言語:日本語】
13:30-13:40 司会(担当コーディネーター):石川肇(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)
13:40-14:40 パネラー:山口記弘(東映株式会社経営戦略部フェロー、京福電気鉄道株式会社取締役)
『太秦は日本のハリウッド』
14:50-15:50 パネラー:太田梨紗子(神戸大学大学院(院生))
『時代劇衣裳における甲斐荘楠音の役割』
16:00-17:00 パネラー:石川肇(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)
『時代劇研究の新分野-東映京都撮影所における「有形無形文化資料」について』
1月22日(土)
パネル③「大衆文化研究の資料学」 【使用言語:日本語】
司会(担当コーディネーター):前川志織(京都芸術大学専任講師)
10:00- 第一部
パネラー:木場貴俊(京都先端科学大学講師)
パネラー:石上阿希(国際日本文化研究センター特任助教)
パネラー:劉建輝(国際日本文化研究センター教授)
パネラー:高畠麻子(高畠華宵大正ロマン館主任学芸員)
パネラー:佐藤守弘(同志社大学教授)
11:15- 第二部
パネラー:近藤和都(大東文化大学専任講師)
パネラー:石川肇(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)
パネラー:エルナンデス・エルナンデス・アルバロ・ダビド(国際日本文化研究センタープロジェクト研究員)
12:00- コメントと討議 コメンテーター:関野樹(国際日本文化研究センター教授)
12:30 終了
パネル④『大衆文化研究叢書』書評パネル 【使用言語:日本語】
司会(担当コーディネーター):木場貴俊(京都先端科学大学講師)
13:30-14:15 第2巻書評者:秦剛(北京外国語大学北京日本学研究センター教授)
第2巻書評者:室井康成(独立系民俗学研究者)
第2巻討議参加:小松和彦(国際日本文化研究センター名誉教授)
14:15-15:00 第3巻書評者:松村薫子(大阪大学日本語日本文化教育センター准教授)
第3巻書評者:石田美紀(新潟大学教授)
第3巻討議参加:安井眞奈美(国際日本文化研究センター教授)
15:05-15:50 第4巻書評者:ビヨーン=オーレ・カム(京都大学講師)
第4巻書評者:伊藤慎吾(國學院大學栃木短期大学准教授)
第4巻討議参加:荒木浩(国際日本文化研究センター教授)
15:50-16:20 第5巻書評者:王中忱(中国清華大学人文学院教授)
第5巻書評者:徐園(中国人民大学外国語学院准教授)
第5巻討議参加:劉建輝(国際日本文化研究センター教授)
16:30-17:15 第1巻書評者:マティアス・ハイエク(高等研究実習院(École Pratique des Hautes Études-PSL)教授)
第1巻書評者:竹宮惠子(日本マンガ学会会長、京都精華大学名誉教授)
第1巻討議参加:前川志織(京都芸術大学専任講師)
(※フランスとの時差の関係で、1巻の書評は最後となります)
1月23日(日)
パネル⑤「国際日本研究」コンソーシアム:
「国際日本研究」の新展開――ヨーロッパとの対話から 【使用言語:日本語・英語】
16:45-17:00 司会:荒木浩(国際日本文化研究センター教授)
17:00-18:00 『「国際日本研究」が求める研究視界とハンドブックとは何か』
基調講演者:佐藤=ロスベアグ・ナナ
(ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院 [SOAS] 言語文化学部長・准教授)
ディスカッサント:安井眞奈美(国際日本文化研究センター教授)
ディスカッサント:アンナ・アンドレーワ(ゲント大学研究教授)
18:10-19:00 『In-between: Experiences and Challenges of Organizing the International Conference of the European
Association for Japanese Studies (EAJS) at Ghent University in Times of Crisis and Transition』
発表者:アンドレアス・ニーハウス(ゲント大学教授)
ディスカッサント:楠綾子(国際日本文化研究センター准教授)
ディスカッサント:アンナ・アンドレーワ(ゲント大学研究教授)
19:10-19:50 『編み合うテクスト遺産 テクストの学際的な再考を試みて』
発表者:エドアルド・ジェルリーニ(ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学非常勤教授)
ディスカッサント:荒木浩(国際日本文化研究センター教授)
20:00-20:45 ラウンドテーブル・ディスカッサント:タイモン・スクリーチ(国際日本文化研究センター教授)
20:45-21:00 閉会の挨拶:瀧井一博(国際日本文化研究センター副所長)