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この学会は、2014年にベルリンでP・ウェルニッツとG・シアリが開催した「戦争での英雄神話の構築(ドイツ、フランス、日本)」に続くものである。ベルリンでは戦士の「英雄」イメージの構築に伴う両義性が研究対象となった。なお、この学会の紀要は2017年に出版された。(Leipziger Universitätsverlag: Helden und Heldenmythen als soziale und kulturelle Konstruktion / Heroes and heroic myths: a social and cultural construction: Deutschland, Frankreich und Japan / Allemagne, France, Japon)。
今回の学会では、第二次世界大戦中にナチスドイツから逃れた亡命者を受け入れた国の立場と、亡命者自身の「生き残りのための倫理」の両面を研究する。
枢軸国の人種政策の結果、自分たちの存在を受け入れ国と交渉しなければならない人々は亡命することになった。
既存の研究の多くは、特定の国や地域を対象としている。だが、この問題を全体的に捉え、比較検討したものは少ない。ナチスに迫害された亡命者の行き先としてのアジアは、ほとんど研究されていないように思われる。上海とその租界は亡命地として知られているが、日本は研究の範囲外にある。
本会議の目的は、アジアでのドイツ人などの亡命者のディアスポラの軌跡を辿り、彼らがどのように受け入れ国(枢軸国や中立国)と共存し、戦時中や戦後の特異な体験を記録し、異文化との関係をどのように考えたのかを明らかにすることである。これらのアプローチは受け入れ国の視点からも有効に思われる。
例として次の側面が取り上げられよう。
1° 政治的側面:分離と統合
2° 経済:受け入れ国の利益に対する亡命者のサバイバル経済(低賃金労働など)の関係。
3° 異文化:受け入れ国のヴィジョンと亡命者のヴィビジョン
4° 記録と記憶:公的な歴史と証言・回想録・フィクションの比較
歴史的なアプローチ(記録文書、警察の報告書、外交官の電報など)
文学的アプローチ(非迫害者の証言、亡命小説/歴史小説など)
本学会では、各々の国の政治倫理、「有用性」という曖昧な基準で修正された人種差別理論、そして受け入れ国とその「訪問者」との妥協点が問われる。そしてこの妥協が自らの価値を否定または隠蔽するようになった状況("生存倫理")について検討する。
様々な分野の言語研究や歴史学を組み合わせることいよって異文化間の出会いを分析することができるはずである。我々は、博士課程の学生や若手研究者の参加も強く奨励します。
発表の要旨(300語以内)、および簡単な研究実績と所属機関名を、2021年6月30日までにIRIEC(UPVモンペリエ)とリールの主催者に提出してください。
--Philippe Wellnitz(UPVモンペリエ、IRIEC) philippe.wellnitz@univ-montp3.fr
-- 竹本俊雄(リール大学 ifrae/Alithila) toshio.takemoto@gmail.com
発表可否は2021年7月末までにお伝えします。
会議の言語 :フランス語、ドイツ語、英語、日本語。
2021年9月15日までに、最終的な論文タイトルを記載した Extended Abstracts を送付します。
N.B. 会議の出版は2022年に予定されており、新たな学会につながります。