「ヨーロッパ日本研究学術交流会議―緊急会議 After / With コロナの「国際日本研究」の展開とコンソーシアムの意義」を開催しました(2020年12月11日~13日)
活動報告 2020/12/23
2020年12月11日から13日にかけて、標記会議を開催した。会場は、国際日本文化研究センター(日文研)第1共同研究室とウェブ会議システム(Zoom)併用のハイブリッドで行い、言語も日本語(もしくは英語)とした。日文研「国際日本研究」コンソーシアム委員会の荒木浩委員長を進行役として、初日の12月11日は、一般にも公開する配信形式(後日編集・公開予定)で開催した。井上章一日文研所長の挨拶、荒木委員長による趣旨説明のあと、五百籏頭眞氏(兵庫県立大学理事長)による基調講演「コロナ後の国際関係」(司会:楠綾子日文研准教授)、続いて、関野樹日文研教授による基調報告「人文学研究におけるオンライン上の研究資源―現状と課題」(司会:山田奨治日文研教授)が行われた。会議全体の前提となる、コロナ禍と国際政治の状況、人文学とオンラインやデータベースの活用をめぐる問題などが論じられた。
2日目と3日目は、研究者限定の参加形態で、パネル発表「ヨーロッパからの報告(1)(2)」と題して、ヨーロッパ各国で研究を進めている研究者による研究報告、コロナ禍をめぐる対応状況、今後のコンソーシアムの連携と意義について議論を行った。12月12日は安井眞奈美日文研教授の司会で、エドアルド・ジェルリーニ氏(ヴェネツィア大学)「イタリアから見たコロナ禍と日本研究―明らかになった限界と可能性について」、佐藤=ロスベアグ・ナナ氏(ロンドン大学SOAS)「Covid-19禍における大学教育と研究―現状と今後」、鋳物美佳氏(ストラスブール大学)「コロナ禍における見えるものと見えないもの」、アンドレアス・ニーハウス氏(ゲント大学)「面目を改める? 新型コロナウイルスとベルギーにおける日本学の現在と将来」、マルクス・リュッターマン日文研教授「日本語圏における『良心形成』の学際研究」と進み、ディスカッサントは白石恵理日文研助教がつとめた。12月13日は、ジョン・ブリーン日文研教授の司会で、英語発表を軸に、アラン・カミングス氏(ロンドン大学SOAS)「Research on the impact of Covid-19 on Japanese performing arts & music」、豊沢信子氏(チェコ科学アカデミー)「In Response to COVID-19―Some Preliminary Thoughts about the Future from the Czech Republic」、梅村裕子氏(ブダペスト大学 [ELTE])「ブダペスト大学における日本学研究の現状、及び感染症に対する取り組み」、ビョーン=オーレ・カム氏(京都大学)「Methodological Concerns of Researching Larp and Educational Roleplay in Japan: The (Im) Possibilities of Remote Fieldwork」と進み、ディスカッサントは、キリ・パラモア氏(アイルランド国立大学コーク校)と藤本憲正日文研機関研究員がつとめた。続いて、総合討論(司会:荒木委員長)の中で問題を整理し、最後に、瀧井一博日文研副所長の挨拶で閉会した。
本会議には、国内外から多くの登録者があり、延べ151名が参加した。またパネリストから、今後の「国際日本研究」コンソーシアムの展開と新しい学問形態について討議の継続が提案され、2021年1月以降、ワーキング・グループを作って議論を開始することなどが諮られた。闊達な意見交換もあり、国際的な議論展開の可能性を拓く、有意義な会議設定であった。
(文: 荒木浩 日文研教授・「国際日本研究」コンソーシアム委員会委員長)
(上)12月11日の基調講演
(上)12月13日の総合討論