去る5月14日(日)にシンポジウム「なぜ国際日本研究なのか」を開催しました。
本シンポジウムは、平成28年7月に日本国内の7機関によって発足した「国際日本研究」コンソーシアム準備会(現在、12機関で構成)主催の初めてのシンポジウムであり、「国際日本研究」の可能性・射程あるいはその限界について考える場として企画されたものです。
基調報告では、酒井直樹コーネル大学人文学部教授から「地域研究の結末/目的:理論と国際性をめぐって」と題して、欧州、北米における地域研究の流れ、現在の米国における情勢等を踏まえた多岐にわたる観点から今後の国際日本研究の課題が提起されました。
続いて、第1部「研究の場から」では、友常勉東京外国語大学大学院国際日本学研究院教授、宇野田尚哉大阪大学大学院文学研究科教授からの発表、第2部「教育の場から」では、鐘以江東京大学東洋文化研究所准教授、牛村圭国際日本文化研究センター教授からそれぞれご自身の研究教育経験を踏まえた報告がありました。
第3部「国際日本研究を巡る鼎談」として、落合恵美子京都大学大学院文学研究科教授、佐藤弘夫東北大学大学院文学研究科教授、李成市早稲田大学文学学術院教授により、国際日本研究における実践的な課題、人文学・社会学分野の中での位置づけなど活発な議論の後、全体討論が行われ、今後の国際日本研究は、グローバル化する社会の中で、人文学の組み換え・問い直しに寄与するのではないかとの提起がなされるなど充実した内容となりました。
シンポジウムには、研究者及びオブザーバーを合わせて約70名が参加し、国際日本研究に対する関心の高さが証明されました。
なお、「国際日本研究」コンソーシアムは今夏を目途に立ち上げることが合意され、引き続き、国際日本研究に関するシンポジウム等の活動を継続する予定です。